会社員が良質なコミュニティに参加することでコーチ力をより早く伸ばせる3つの理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
会社員が良質なコミュニティに参加することでコーチ力をより早く伸ばせる3つの理由

ここ1年ほど、会社員を続けながら、コーチの資格を取得し、活動する人が増えているなと感じます。

そうした話を聞いていると、会社でも仕事の幅を広げ、コーチとしても力を伸ばす人がいる一方で、せっかく学んだコーチングを活かせないままになっている人や、会社の仕事も、コーチ業も、どちらも中途半端になってしまったという話も耳に入ってきます。

コーチングを学んだ会社員の方が、コーチとしても成長し続けられるかどうかは、何によって決まるのでしょうか。

私は、会社員コーチが成長し続けられるかどうかの分かれ目の1つは、「コーチのための良質なコミュニティに参加できるかどうか」だと考えています。

この記事では、「会社員が良質なコミュニティに参加することでコーチ力をより速く伸ばせる3つの理由」を書きたいと思います。

1.1人でコーチ力を磨くのは難しい

まず1つ目の理由は、シンプルに、「ひとりで頑張るのは難しい」ということです。

これは、一般的によく言われる、「仲間がいるとがんばれる」という意味も、もちろんあります。一緒に頑張る仲間がいたからこそ、部活や勉強が続いた、という方も、きっと少なからずいらっしゃるでしょう。

ただ、コーチングについては、さらにもう1つの意味があります。それは、「コーチングについて話す相手ができる」ということです。

コーチングを学んだ人は、以前よりも、かなり増えてきました。けれど、まだ、全員誰でも知っている、というものではありません。学び続けている人は、さらに少ないと思います。

そんな中で、周囲の人にコーチングの話をすることに、リスクを感じる人も、きっといるのではないかと思います。私自身も、「こんなことを言ったら変に思われるのでは」と、会社や周囲の人に話すことができない時期がありました。

コーチングはコミュニケーションの技術です。コミュニケーションは、誰にでも関わりのあるものですね。だからこそ、コーチングの話をすることで、どんな人にも「あなたのコミュニケーションやり方は間違っている」という裏メッセージを伝えてしまう可能性があります。実際、いろんな理由で、コーチングの話を聞くのを嫌がる人もいます。

コーチングを学んでいると伝えることで、相手との関係が悪くなるかもしれない。そう感じると、伝えるのをためらうのは、当然のことです。

ただ、その状況が長くすると、無意識のうちに、自分の中で、「コーチング=相手との人間関係を悪くする可能性があるもの」というイメージがついてしまいます。そのため、コーチングを実践することにも、徐々に後ろ向きになってしまうんですよね。

私の場合は、そんな時に、コミュニティのイベントや、勉強会という形で、コーチ仲間と定期的に話す場所があったおかげで、「コーチングについて話しても大丈夫だろうか」という緊張が解け、「やはりコーチングは自分にとって必要なものだ」と、再認識することができました。

こうした機会がなく、一人きりで実践を続けていたら、きっと学び続けることができなかっただろうと思いますし、むしろ、上手くいかずに、無意識に、コーチングにマイナスのイメージを持ってしまっていたかもしれません。

2.コミュニティの質が試行錯誤の質を決める

2つ目の理由は「コミュニティの質が試行錯誤の質を決める」ということです。

コーチングをお調べになっている方、すでに学ばれている方は、お感じになっていることかもしれませんが、コーチングは、コーチングスキルを学んだらできるようになる、というものではありません。

なぜなら、クライアントの思考や感情の状態によって、有効なコーチングスキルは大きく異なるからです。

気力が枯渇している人に、「がんばれ!」と言うと、かえって相手を追いつめてしまうように、コーチングの場面でも、クライアントの状態によっては、ふとした言葉が凶器になることもあります。コーチングスキルを駆使して発した言葉でも、同様です。

コーチングにおいて、コーチングスキルはもちろん大事です。ただ、それ以上に、「今、何をする(言う)必要があるか」という”判断力”が大事なのです。

では、判断力は、どのように伸ばしたらよいのでしょうか。

もちろん、実際にやってみることは大事です。ただ、やりっぱなしでは、向上は見込めませんから、「やった結果どうだたか?」「他にどんな選択肢がありそうか?」を考え、次の機会には、より良くなりそうな別のやり方を試してみる、という、試行錯誤の繰り返しが必要になります。

PDCAと言った方が、ピンと来る人もいるかもしれませんね。

そして、より速くコーチ力を上げたいのなら、試行錯誤の中で選べる判断を、よりたくさん知る必要があります。

どうやって知るのか?

1つの方法は、「たくさんの人の判断に触れること」だと私は思います。色々な判断に触れ、それが蓄積されることで、自分の中の選択の幅が広がるからです。

そして、コミュニティに所属していると、この「いろいろな判断に触れる」場を得られます。良質なコミュニティであればあるほど、蓄積される判断の例も良質なものになります。良質な判断例があると、PDCAの質も上がります。

「コーチとしてやっていきたいなら、自らコーチを付けるべし」という主張をする方もいます。それも決して間違いではありません。コーチングを受けることで、学ぶことも多いですし、目的やゴールが明確な場合は、その方が有効なことも、とても多いです。

一方で、もしあなたの目的が「コーチとしての成長」にあるのであれば、良質なコミュニティに所属することで、1人のコーチと会話する以上のものを得られる可能性もあることも、知っておいていただければと思います。

なにしろ、周りがみんなコーチなわけですからね。

3.「コーチである自分」に立ち返ることの重要性

会社員コーチに、良質なコミュニティが必要な理由の3つ目は、コミュニティに所属することで、「コーチである自分に立ち返る場を持てる」ということです。

会社等で勤務をしている場合、勤務先でコーチングを実践するのは、ご自身のコーチ力を伸ばすためにとても重要です。私も、職場での実践を通してコーチ力を伸ばした方も、たくさん知っています。

一方で、職場ではどうしても「コーチ100%」で関わることができない、という話も、よくお聞きする所です。

実務上のやり取りや、指示命令が必要な場面で、悠長に相手の意見や気持ちを聞いている場合ではないことも、ビジネスの現場では、よくあることかもしれないな、とも思います。

そんな時に、「コーチである自分」に立ち戻れるコミュニティがあることは、実は、コーチ力を伸ばす上で、とても大切なんだな、と、5年以上学んできて、とりわけ強く感じています。

「コーチである自分」「コーチとしての関わり」を、定期的に考え続けたことで、コーチである自分と、コーチでない自分を、分けて考えることができるようになりました。その結果、日常の中でも、「今は、コーチとして関わるタイミングか」ということを、冷静に判断できるように変わってきています。

これはとても大事なことです。コーチとしての関わりを望んでいない人に、コーチングで関わるのは、とても失礼ですし、相手も不快に感じることですからね。たとえ無意識だったとしても、です。

コーチングを学んだ上司が「質問魔」になってしまい、辟易してしまった、という方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。これも、望まない人にコーチングを実践しようとしてしまった、典型的な例ではと思います。

コーチングをタイミングよく使うためには、「コーチとしての自分」「コーチとしての関わり」がどんなものか、自ら考え続ける必要があります。

良質なコミュニティに参加していると、そのための場が得られるのです。

おわりに

まとめると、会社員で、かつコーチングを学び続けたい方が、良質なコミュニティに参加して得られるのは、以下の3つです。

  • コーチングについて気兼ねなく話す場があるから、コーチングを学ぶことが意味のあることだと思い続けられる
  • コーチングにおけるたくさんの良判断に触れるから、コーチングを身に着けるための試行錯誤の質が上がる
  • 「コーチである自分」に立ち返る場があるから、コーチとしての振舞いに自覚的になり、必要ない場面でコーチングを振り回すことがなくなる

コーチのコミュニティはいろいろあります。せっかく学ぶのだから、身に着くまでしっかりやりたい、という方は、どこだったら学び続けられそうか、水の合いそうなところを探してみてもいいかもしれません。

おまけ:私自身が所属している場所

私自身は、所属したいと感じられる、会社員向けのコミュニティがなかったため、2019年に、仲間と一緒に、自ら立ち上げました。

TCS x Businessという、トラストコーチングスクール(TCS)認定コーチ向けのコミュニティです。

TCS x Businessは、会社員や公務員、病院や施設の職員など、組織に勤務し、現場でコーチングを活かしながら、コーチングを学び続けたい人のためのコミュニティです。現在80人以上(2021/07/01現在)の認定コーチが参加しており、毎月勉強会などを開催しています。

トラストコーチングスクールを受講し、コーチトレーニングを経て、認定コーチになることで、参加いただくことが可能です。

トラストコーチングスクール

たった6時間という短い時間で、自らの「心の状態」を整える方法と、それを土台とした「伝わるコミュニケーション」を体系立てて学ぶ講座

TCS x Businessの活動の様子は、以下からご覧いただけます。

TCS x Business マガジン

”組織で働く” TCS認定コーチのためのコミュニティ公式ブログ

コーチングを基礎から学び、すでに実践フェーズにある人同士で話すことができるため、毎回の勉強会が、非常に実りあるものになっています。

ご興味ある方は、公式説明会や、講座ご受講時などにお尋ねくださいね。

自分の価値を上げながら、会社にもより貢献していきたい人事パーソンのための「関係性マネジメント」7日間メール講座

人事って結局何が出来る人?
知識・スキルだけで勝負しない、
今だからこそ築けるキャリアを目指そう。

「関係性マネジメント」7日間メール講座

は、

自分の価値も上げながら
会社にも貢献していきたい

人事パーソンのための無料メール講座です。

<こんなことを知ることができます>

・これからもっと成長していくための「伸びしろチェックシート」プレゼント
・VUCA時代でも周囲に振り回されずに充実したキャリアを築くためのポイント
・より確実に成果を上げ、実績を積んでいくために必要なこと
・「身の回りの人間関係をちょっと良くする」よりも一段深いコミュニケーション力の使い方 etc.


もっと見る

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*