人事が最初に考えておこう「コミュニケーションがとれていれば1on1はいらない」は本当か?

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人事として、1on1の仕組みを
新たに導入しようとしている方も
多いと思います。

ただ、導入を進めようとしたときに

「1on1は上司部下のコミュニケーションを補完するもの」

「だからコミュニケーションがとれていれば1on1は不要」

という意見に出会うことも、
少なくありません。

この意見、
非常に感覚的なものだと思うのですが、
それだけに、人事として
「それでも1on1が必要」だと伝えていくのが、
とても難しいなと感じます。

というわけで、
1on1導入・定着を推進する端緒として、

今日は

「コミュニケーションがとれていれば1on1はいらない」は本当か?

ということを考えていきたいと思います。

1.「コミュニケーションがとれている」ってどんな状態?

まず考えたいのは
「コミュニケーションがとれている」
というのはどんな状態か、ということです。

・必要な業務の指示がもれなく伝わっている
・上司・部下双方が、率直に意見を伝えられている
・相手の課題を理解できている
・プライベートなこともある程度オープンに話ができる……

これらは、どれも
「コミュニケーションがとれている」に
含まれるものだと思います。

ただ、現実の職場での
コミュニケーションを考えたときに、
どれが出来ていれば
「コミュニケーションがとれている」
と判断するのか?

は、意外と明確になっていない方が
多いように感じます。

よくあるのは、

部下は
「必要な業務の指示がもれなく伝わっている」
でOKだと思っているけれど、

上司は
「お互いに率直に意見を伝えられている」
を求めている、

など、

上司・部下で
コミュニケーションのゴールが
ずれているケースです。

こうした場合、

上司は1on1をやりたいけれど、
部下は乗り気ではない、
という状況になりそう

ということが、容易に想像できますね。

コミュニケーションが
とれているなら1on1はいらない、

という方とお話する場合、まず、

何ができていれば
「コミュニケーションがとれている」
とみなせるのか?

そのゴールに対して、
現時点で、上司・部下は
それぞれどの程度
達成出来ていると感じているのか?

を明確にしておく必要がありそうです。

2.「コミュニケーションがとれていれば1on1はいらない」のか?

次に考えておきたいのは、
「コミュニケーションがとれていれば1on1はいらないのか?」
ということです。

これは、1on1を実施する目的は何か、
ということでもあります。

「上司・部下間のコミュニケーションを円滑にする」
ということを1on1の目的とするのであれば、

すでにコミュニケーションがとれていれば、
1on1はいらない、
と判断することも間違いではありません。

ただ、私が良くお聞きするのは

「コミュニケーションが
 とれるようになってからの方が、
 1on1がより活用できている」

というお話です。

どういうことかというと、

・1on1でコミュニケーションの頻度が上がって、
 相手のことがよくわかるようになった結果、
 さらに伸びしろが見えるようになった。

・一人ひとりと、伸びしろに向けた取り組みを
 一緒に進めていくことになった結果、
 1on1の時間の重要度が増している

というケースが多いんですよね。

なので、1on1がうまくいっている人ほど、
1on1継続の必要性を感じていることが多いな、
という印象です。

3.1on1のゴールとは

最初は、1on1のゴールを
「上司・部下間のコミュニケーションの補完」
とするのも、よいと思います。

そもそもコミュニケーションが
足りていないケースも、
きっと多いでしょうから。

ただ、コミュニケーションの頻度や、
質が上がってきているなら、

あるいはすでに
コミュニケーションがとれている、
と感じているなら、

1on1のゴールを
さらにその先に設定しなおすことも、
考えてもいいと思います。

「その先」というのは、
例えば、部下の成長をより効果的に支援する、
などですね。

1つだけ心に留めておきたいのは、
たとえコミュニケーションが
取れているとしても、

その「コミュニケーションが取れている状態」
を維持するには、
相応の努力が必要だということです。

現在、1on1をやっていて
コミュニケーションが取れている状態、
であれば、

1on1をやめることで、
その状態が維持できなくなるかもしれません。

また、1on1をやっていなくても
コミュニケーションが取れている状態、
だと感じているなら、

1on1なしで、どうやって
現在の状態を維持していくのか、
を考えていく必要があります。

ビジネスの現場において、
現状維持は衰退、とよく言われますが、
これはコミュニケーションの
現場においても同じです。

1on1の形でも、そうでなくても、
私たちはチームを
より良い状態にするために、
何らかの努力を常にしていく必要が
あるのだと思います。

おわりに

1on1は、

上司・部下のコミュニケーションをより良くする、
部下の成長を支援する、

という面において、
非常にプラスになる施策だと
私自身は考えています。

ただ、いろんな背景事情から、
そう感じていない人がいるのも、
また事実ですし、

経営上の優先課題が
別にあるケースもあるでしょう。

だからこそ、
1on1導入を進めるのであれば、

推進する人事担当者自身が、
職場のコミュニケーションにおける課題や、
1on1の目的・ゴールを
最初に明確にしておくことが必要です。

自分自身で、
どれだけ深くまで考えられているかが、
施策展開の説得力にも
つながるのだと思います。

これから1on1導入を進める方、
さらに定着させていきたい方は、
ぜひ一度、この記事で取り上げた

・「コミュニケーションがとれている」ってどんな状態?
・1on1のゴールは何か?

について、ご自身で考えてみてくださいね。

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