引っ張るだけのリーダーの時代はもう終わり!これから必要な“メンバーを置き去りにしない”リーダーシップとは

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「リーダーシップがある」というと、全てを適切に判断し、指示し、みんなを引っ張っていくリーダーシップのスタイルを想像する人は、まだまだ多いです。この認識は、けっして間違ってはいないですし、実際に引っ張っていくタイプのリーダーで成功している人も少なからずいます。

ただ、実際に自分がリーダーになると、それだけで、“チームとして”全力を尽くせるか、というと、そうでないことも多いものです。

実は、「引っ張っていくタイプのリーダーシップ」には、苦手なことがあります。それは、自分自身が先頭を走るがゆえに、遅れがちになってしまう人のフォローが手薄になるということ。

全力疾走できる人ばかりのチームなら、とても良い成果を出せると思いますが、現実には、全力で走れる人もいれば、今はがんばれない、という状態の人もいる、凸凹のあるチームをマネジメントしなければならないことがほとんどです。

「引っ張る」ことばかりを考えていると、こうした、がんばれない状態の人を、置き去りにしてしまう可能性があります。逆に、がんばれない状態の人を活かすことができれば、チーム全体の力は飛躍的に上がることでしょう。

今回は、こうした「がんばれない人」を置き去りにしないリーダーシップの形について、考えてみたいと思います。

1.“置き去りにしないリーダーシップ”とは

“がんばれない人を置き去りにしないリーダーシップ”とは、一言でいうと、がんばれない人にも「できる範囲でベストを尽くそう」と感じてもらえるリーダーシップのこと。

がんばれない人、というのは、それぞれ事情を抱えていて、目標に向かって全力で走ることができない人、とも言い換えることができます。

その事情は、自身の体調のことかもしれませんし、家族に関することかもしれません。あるいは、今の仕事が合わないと感じている、とか。傍から見るとなんでもない小さなことであっても、本人にとっては、足かせになってしまう……ということは、とても多いものです。

とはいえ、リーダーとしては、「誰にでも事情はあるものだ、って? そんなことわかってるよ。だから、そのための配慮も、できる限りしている」とお感じになる方も、いらっしゃると思うのです。

ただ、ひとつ知っておいてほしいのは、その“配慮”が、むしろ部下をがんばれない状態にしてしまっていこともある、ということです。

2.“良かれと思って”した配慮が部下を孤独にしている

私は、育休から復職した方や、介護などの事情で短時間勤務で仕事をしている方とお話する機会があるのですが、多くの方が、「負担にならないように」と会社や上司に“良かれと思って”配置転換を提案されたことに、複雑な気持ちになった経験をお持ちです。

会社や上司の「負担をかけないように」という配慮が、「がんばらなくていいよ。あなたには期待していないから」というメッセージであるかのように感じるそうです。

例えば、育休から復帰する社員がいるなら、その社員は、大切なお子さんを預けてまで職場に戻ってくるのです。だからこそ、仕事をがんばりたい気持ちは、きっと皆無ではないと思います。その時に、「あなたは期待されていない」ともとれる出来事があったら……あなたなら、どう感じますか。

「負担が減ってありがたい!」と思う人もいるとは思いますが、一方で「そんなに必要とされていないなら、この会社にとどまり続ける必要はないかも」と感じる人もいるかもしれないな、と私は思います。

負担を減らしてでも、職場に、会社に留まって欲しい、と考えるのも、部下のことを大切に思ってのことだと思います。悪いこと、ダメなことでは全くありません。部下もきっと、そうとわかっているからこそ、あなたにモヤモヤした気持ちを伝えられずにいることも、あると思います。

だからこそ、あなたが“良かれと思って”した配慮が、部下が意欲をなくし、会社を去るきっかけとなっているとしたら、それはとても残念なことではないでしょうか。

3.「ここに居ていいんだ」という安心感があれば、より仕事に集中できる

とはいえ、例えば復職の段階で「がんばりたいです」と宣言できる人は、ごく一部です。むしろ、家事育児との両立に不安を感じるとか、迷惑をかけることになるかもしれない、とか、そうした話をお聞きすることも多いと思います。

部下自身が、がんばりたい気持ちに気づいていないこともありますし、もしかしたら、「がんばりたいと言ったら、仕事を任されすぎてしまうかも……」といった不安があるのかもしれません。

こうした言葉に現れない「がんばりたい気持ち」や「不安」を汲み取り、そこまで気を配ったしたコミュニケーションがとれること。それが「メンバーを置き去りにしない」リーダーシップに繋がります。

そこまで考慮して接してもらえたことそのものが、「大事にしているよ」「信頼しているよ」というメッセージとなり、「私はここに居ていいんだ」という部下の安心感につながるからです。そして、安心感が得られると、人は、より必要なことに集中できるようになります。

私自身、過労うつで会社をお休みしたことがあります。会社に戻った後、体調が許す範囲ではあるものの、疎外感を感じずに、できる限りの努力ができたのは、私の「また体調を崩すのでは」という不安と、「それでもがんばりたい」という気持ちの両方を、上司が汲んくれていたからだと思っています。

その分、体調が悪いことを理由に、甘やかしてももらえませんでしたが。笑

おわりに

「メンバーを置き去りにしない」リーダーシップは、コーチ型リーダーシップとも呼ばれます。

メンバーを置き去りにしない、ということは、言い換えると「メンバーを孤独にしない」ということでもあり、「相手を孤独にしないコミュニケーション」を実現するのが、コーチングの技術だからです。

一人ひとりに「大事にしているよ」「信頼しているよ」「期待しているよ」と、日常の中で、言葉にせずとも伝えていくにはどうしたらいいのか。それを学ぶのが、コーチングを学ぶということです。

あなたが、もし「メンバー全員が安心して、自らの意思でベストを尽くせる」チームを作りたくなったら、その時は、コーチングのことを思い出してもらえると嬉しいです。

最後に、リーダーシップに関する書籍を2冊ご紹介したいと思います。

いずれも、私が所属するトラストコーチングスクールで活躍するトップコーチが執筆したものです。ビジネスの第一線で活躍するリーダーや経営者の方にも、コーチングをこれから学ぼうとしている方にも、今や、大変人気となっています。

私も読みましたが、コーチングを学ぶことが、リーダーにとってどのような意味を持つのかを、お感じいただける本だなと感じました。これからリーダーを目指す人も、既にリーダーとしてご活躍の方も、自らが目指すリーダー像を振り返る一助にしていただけましたら幸いです。

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