人事制度にどこまで入れてる?目標を“達成したいもの”に変えるために必要なこと

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人事制度として、
目標管理(Management by Objective=MBO)
の仕組みを導入している会社は
少なくないように思います。

もしかしたら、その中で、
社員が会社制度の中で設定する「目標」を
「達成しなければいけないノルマ」だと
認識しているケースも、
けっこうあるのではないでしょうか。

とはいえ、今は、
「達成圧力をかけられるノルマ」
というのは、
敬遠されがちなのでは、と思います。

だからこそ、多くの上司は、
会社として提示した目標を

「どうやったら“達成したい”と思ってもらえるか?」

に腐心しているわけです。

この記事では、
仕事として設定する目標を

「ノルマ=強制的にやらされるもの」から
「達成したいもの」に

変えるために必要なことを考えます。

「目標」を「達成したいもの」に変える方法

どんな目標なら「達成したい」と思えるのか?

は、正直なところ、人それぞれです。

なので、「達成したい目標」にする
一番簡単な方法は、

やりたい、と本人が思っていることに対して、
本人に自由に目標を決めてもらうことです。

とはいえ、そうは言っても
実際にそれができるかというと、
そうではないケースも多いと思います。

その理由は主に2つで、

一つ目は、本人が
「やりたい」ことがあるかどうか、
という部分。

特に若手社員や、
定型的な業務を主とする社員は、
自発的に「やりたい」と思うことが
ないケースも多いです。

このケースは、
本人に自発的な目標設定を求めるのは
かなり難しいと思います。

そして2つ目は、
本人の「やりたいこと」と
会社の「やってほしいこと」が
ズレるケース。

会社には会社としての目標があり、
当然ながら、そのために
一人ひとりに達成してほしいこと、
というのもまたあるはずです。

もし本人に自由に目標設定をさせ、
その結果、本人がが出してきた
「やりたいこと」が

会社として「やってほしいこと」と
ズレていると、
かえって、本人の意欲を
削ぐ可能性もあるわけです。

問題解決しようとすると事態が悪化する

一方で、

「やりたいことがない」や
「自分がやりたいことと会社がやってほしいことがズレている」

という状況に、

最初から上手に対処できる上司は
実はそんなに多くないように思います。

というのは、一般的に、
「自分がやりたいこと」があるか、
「会社がやってほしいこと」を
前向きにとらえられる人が、
管理職になるからです。

そういう人は、そもそも

「なぜ本人の中から目標が出てこないのか」
「なぜ目標がズレるのか」

がいまいちピンときません。

また、管理職になる人は、
多くが問題解決力が高い方かと思います。

このコンボが決まるとどうなるか。

「本人が“やりたくない”と
 感じる原因を特定して、
 それを取り除けば
 目標に前向きに取り組めるんじゃないか」

という、問題解決型アプローチへと
入っていってしまいがちになるんですよね。

例えば、締切は適切か、
リソースは足りているか、
スキルの習熟度はどうか。

こうしたところを見るのは
「問題解決型のアプローチ」です。

これらは業務を進めるうえで
とても大切な視点です。

ただ、目の前のノルマを
「達成したい目標」へと
変える時には、

こうした話をするのは、
ほとんど効果がないと思います。

なぜなら、別のところに
原因があるケースが、
ほとんどだからです。

そしてその原因は、
多くの場合、
わかりやすく見える場所には
ありません。

もし上司が認識できる範囲に
あったとしても、
家庭の事情などの場合は、
ほぼ上司には踏み込めません。

やがてそのことに気づいた上司は、
無力感とともに手を引き、
徐々にその部下の目標達成を
期待しないようになっていきます。

あるいは、気づけないまま、
「なんとか問題を解決しよう」と
ごり押しして、
部下から信頼を失ってしまう。

こうして、だんだんと
マネジメントの状況が
悪化していくわけです。

成長支援でノルマと目標の間の溝を埋める

一方で、ノルマから
「達成したい目標」へと
移行させるのが
上手な上司ももちろんいます。

そうした上司の方が、
どんなかかわり方を
しているのかというと、
「成長支援型のアプローチ」を
とっているケースが多いです。

成長支援型のアプローチ、
というのは、例えば

「今、会社のことをどう感じているか?」
「この課題をどのようにとらえているか?」
「部下が、自分で主体的に動けると思っている範囲はどこまでか?」
「部下が一生懸命になれることは何か?」

などを探っていき、
部下が、どう仕事とのかかわるのが、
一番成果を出せるのか、を
一緒に考えていくアプローチです。

その中で、
「すこし背伸びすれば達成できる目標」を
一緒に設定していきます。

一言でいうと、
目標を決める前の段階から、
目標を設定するまで、
継続的に関わっていくんですね。

目標設定の前段階から関わっているか?

見落としがちな部分ですが、
目標設定は、
目標設定するときだけ考えればできる、
というものではありません。

実は、その前に
たくさん準備することがあります。

成長支援型のアプローチを
とっている上司は、
目標設定の時だけではなく、
それ以前から継続的に
関わっている方が多いです。

そして、

その「継続的な関わり」を
目標設定のタイミングで
本人が達成したい、と感じられ、
かつ会社にもプラスになる、
効果的な目標へと昇華させている

んです。

こうしたことが
できるようになために必要なのが
コーチングの技術です。

管理職研修に
コーチングを導入する会社が多いのは、
管理職として求められている、
この「成長支援型アプローチ」の
引き出しを増やすためでもあります。

あなたの会社ではどうですか?

人事制度として「目標設定」を
どのように位置づけていますか。

また、あなた自身は、
目標設定をどうとらえていますか。

目標設定、って、
それまでの成長支援の、
ひとつの振り返りポイントでしかありません。

その前提で運用すると、
目標管理制度も、
また違ったものになりそうですね。

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