必要?不要?成果につながる目標設定シートの捉え方

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人事評価の参考資料として、
年初に「目標設定シート」を
各個人が作成することになっている会社の方、
きっといらっしゃると思います。

この目標設定シート、
「必要か、不要か」と問われると
実は必要だと感じている人と、
不要だと感じている人で
意見が分かれることが多いです。

このコラムでは、実際のところ
「目標設定シートは必要なのか?」
について、考えていきたいと思います。

1.必要派の意見

私がお聞きする範囲で
「目標設定シートが必要」
だと感じている人が考えている
必要だと思う理由は、
以下の通りです。

1)年初に目標を明確化しておくと取り組みやすい
2)目標とそれに対する進捗を上司・部下間で共有しやすい
3)評価時期に注目すべきことが明確

1)年初に目標を明確化しておくと取り組みやすい

年初に目標を明確にしておくことで、
自分が何を優先すべきかが
はっきりします。

そのため、日々の仕事でも
優先順位がつけやすくなり、
効果的に時間を使えるようになります。

特により多くの人が関わる仕事や、
長期の準備が必要となる仕事がある人は

最初に目標を
明確にしておくことによる
効果を強く感じているようです。

2)目標とそれに対する進捗を上司・部下間で共有しやすい

目標を最初に
言語化しておくことで、
上司・部下間での
共有が容易になります。

上司としては、
部下の指導がやりやすくなりますし、

部下としては、
自分のやりたいことを
あらかじめ説明しておくことができ、

必要に応じて
支援を受けることが
できるようになるので、
進めやすくなります。

3)評価時期に注目すべきことが明確

多くの会社では、
評価は短くても1か月、
長いと半年や1年ごとかと思います。

時間とともに、
最初に設定した目標は、
だんだん曖昧になっていきます。

そんなときに、
目標設定シートがあると、
短時間で、ポイントを
振り返ることが可能です。

2.否定派の意見

一方で、否定派の意見として
聞いたことがあるのはこんな感じです。

1)定例的な業務が多く目標を設定しずらい
2)目標達成しても評価に反映されない
3)目標設定シートに何を書けばいいかわからない

1)定例的な業務が多く目標を設定しずらい

毎日、同じ仕事を
同じように進めることが
求められる仕事をしている方は、

そもそものところとして、
自分自身では
目標を立てにくい状況
ということが多くあります。

何か変えるには
上の方針変更が必要であり、
その方針の検討には
関われないケースも多いです。

確かにこうした状況の場合、
目標設定シートを
書くよう言われても、

タスクを書き出す以上のことは
書きにくいと思います。

2)目標達成しても評価(賞与)に反映されない

実は多いのが

「目標達成しても
 評価(賞与)に反映されないから
 目標設定するモチベーションが低い」

というケースです。

これは上司が
目標達成の状況を
無視して評価を決めている

……というわけではなくてですね、

「目標設定/目標達成は
 個人の業務管理・成長のためのもの」

であり、

「評価は会社への
 貢献度を明確化したもの」

である

等、目標を達成することと、
賞与支給のための評価が、
完全に別の基準に
なっているというケースです。

会社としては、
いろいろと意図があって
定めている制度だろうとは
思うのですが、

一方で社員の立場からすると、
確かに、自身が頑張って
達成した結果が
明確な評価として現れないのでは、

モチベーションは
上がりにくいだろうなぁ、
と感じます。

3)目標設定シートに何を書けばいいかわからない

3つ目は
「目標設定シートに
 何を書けばいいかわからない」
です。

自分自身では
目標として設定していることが
あったとしても、

それが、会社が
指定している目標設定シートの
フォーマットに
合わないことがあります。

よくあるのは、
営業以外の方が、
数値目標を設定する欄に
記入することがなくて
困っているケースですね。

3. 目標設定の支援は人事と上司の仕事

私自身は
どう感じているかというと、
「目標設定シートはあった方がよい」
という意見です。

なぜかというと、
目標設定をする時点で
自分がやりたいこと、
やるべきことの解像度が
どの程度かがわかるからです。

やりたいこと、
やるべきことの
解像度が低いのは、

すなわち
「何をやれば進むか
 よくわかっていない」
状態です。

目標設定シートを
書くことを通じて、
あいまいにな点を明らかにして、
明確化するのは、
非常にプラスになるなと感じます。

一方で、否定派の
意見もよくわかります。

目標を思いつかない、
評価に反映されない、
何を書けば良いかわからない。

そうした状態で
目標設定シートを書くのは
大変だと思います。

ひとつ知っておいて欲しいのは、
実は、これもまた
「目標がそもそもあいまいな状態」
のひとつだということです。

つまりは、
あなたが人事や上司の立場として、
より有効な形で
目標設定シートを運用たいなら、

この
「あいまいになっている点」を
見つけ出し、
明確化するサポートを行うことが
必要ということになります。

あなたは、社員もしくは部下の、
あいまいな目標を
より明確にするサポートが
出来ていますか。

目標設定シートの運用が
うまく回っていないな、
と感じているかたは、
ぜひ考えてみてくださいね。

そして、
「本人にとって
 あいまいになっている点」を
見つけ出し、

相手にわかる形で、
適切なフィードバックを行うのも、
コーチングの技術のひとつです。

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